われら製本人
製本機オペレーターとして、以前の会社を含め15年ほどの経験を重ねてきました。この仕事は刷り本(印刷された紙)の状態のものから、仕様書に従った製品に仕上げるまで、各プロセスの機械の調整を行い、円滑に製本ライン全体を動かす役割を担っています。機械による製本であっても、生み出される本の品質は製本機を扱う人の力が左右します。例えば断裁した部分に出る紙の破れを極力減らせるか、手にとる方がケガをしないようキチッと針金で綴じられるかといった細部にも気を配り、高いクオリティを最初の1冊から最後まで維持する。それがオペレーターとしてのプロの仕事だと考えています。
以前250ページという非常に厚い本の中綴じに挑戦したことがあります。他社では断られたという難しい仕事でしたが、見本を試作し、複雑な段取りや手順を考え、なんとかご要望に沿った本を作り上げることができました。この仕事は、スタッフみんなで協力して成し遂げた成果であり、とても印象に残っています。どんなご要望にも挑戦する、そして現状の品質や技術に満足せずにもっと良いものができるのではないかと思い描きながら、探究心をもって貪欲に取り組むことが大事だと思っています。